飛行機の歴史を、民間旅客機を中心にアメリカのスペースシャトルまでたどる、大部な絵本。
特に、先人たちの多くの挑戦や失敗を、人名やそのエピソードで知ると、人間味が感じられておもしろい。たとえば、江戸時代の浮田幸吉は、鳩の翼をヒントにして飛行に成功したが、「新しいもの御法度」の法により罪人にされてしまったとか。
「機体のスタイルが美しいので、人気があった」とコメントされている1929年フランスの旅客機は、たしかにおしゃれで美しい!
飛行機の発展につながった戦争については、「人を殺し、自然や文明を破壊する」「おろかでゆるせないこと」と、強い言葉でのべる。
最後の章で、先人たちが命がけで挑んでいたグライダーや熱気球、人力飛行の原点に返り、それらをスポーツとして楽しんでいる「今」を見ると、あらためて、人類の大空へのあこがれの強さを実感します。 (は)