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死の森の犬たち

 

1986年。チェルノブイリ原発の事故でナターシャは、突然家を後に非難することになった。やっと誕生日に子犬をもらったというのに、その子犬ゾーヤとも引き離されて! 子犬と故郷を亡くした女の子は、勉学に励むだけのナターリアとして成長していく。一方、森では犬の家族が暮らしていた。賢い母犬に守られ、足の悪い弟との強い絆を築き、次々に襲い掛かる困難に立ち向かうことになるミーシャ。悪賢い狼に追われ、農場を拠点とした野犬の仲間となり、ミーシャは生きぬいていく。そして大人になったナターリアは、汚染地域で繁殖した野犬に避妊手術をして管理することでたすけようとするボランテジアに加わった。犬の寿命を超えた年月の後で、ナターリアは思いがけない出会いを体験する。原発事故の恐怖、放置されながらも生きぬく動物たち。特に犬好きな子にはたまらない物語だと思う。