今は昔。吉野の山のふもとに、1人の童が両親と暮らしていました。
ある日、父親の言いつけを守らず、家を追い出され、お寺の下働きをすることに。寂しくて毎晩泣いていると、お坊さまがなぐさめ、観音様に手を合わせるようにと教えてくれました。
そんなある日、お坊さまが病に寝こみ、魚を食べたいと、童を使いに出します。海までの遠い道中、鬼に食われそうになったり、窮地に立たされる度に、観音様の救いがあり、無事に寺へ帰りつきます。お坊さまの病は治り、下働きに精を出したのち、童は両親のもとへ帰ることができたのでした。
主人公が”行って帰る”冒険譚なので、低学年には、童と一緒にはらはらするお話です。 (は)