生れてきた時から暮らしていたローマから日本に帰国した圭人。父親がひき逃げのせいで死んでしまったせいで祖父母のいる日本に中学2年から戻ることになったのだ。めだたずに教室に溶け込みたかったのに、帰国早々、取り壊しが決まった家のまわりにの仮囲いにスプレーで「こわすな!」と描く不審な人物とであった。その絵の見事さにおもわず感動。その描き手となんと学校で再会する。まさかの問題児の女の子歩(あゆむ)。制服も着ないで勝手な行動ばかりとって先生から睨まれている。関わり合いになるまいと思いつつ、美術好きの両親の影響で彼女の絵の魅力は無視できない! 父親をひいた犯人が見つからないことへの怒りが心の底で渦巻く中、歩とかかわる中で自分がしたいことを見つけていく。ネグレクト父母への怒りをたぎらせている歩の姿や古い街並みへの愛着の描写など、なんとなく実際の14歳というより作者の姿が見えるような気もしてしまった。それなりに一気に読めるけど。ちょっと物足りないかな?