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ながいながい旅 エストニアからのがれた少女

 

ながいながい旅―エストニアからのがれた少女 (大型絵本)

ながいながい旅―エストニアからのがれた少女 (大型絵本)

 

 両親が離婚しておばあちゃんと暮らしていた女の子がいました。でも、犬と一緒に元気に暮らしていました。ところが戦争がはじまります。おばあちゃんは安全な田舎のもう一人のおばあちゃんの元に女の子を送ります。犬ももちろん一緒。無事についたものの、戦争は田舎にもやってきて女の子を守ろうとして吠えたのが気に入らなかったのか、犬は撃ち殺されてしまいました。女の子はそれでも大好きな学校に行ったり友達と遊びますが、また別な兵隊が来たので、おばあちゃんは女の子イロンを救うためにスウェーデンへと送り出します。けれども、おそろしい経験のせいでイロンは病気になってしまいます。お父さんの妹、画家のおばさんがイロンを引き取り、助けてくれなかったら危ないところでした。そしておばさんはイロンに子犬をくれたのです! イロンは、無事に旅を終えたことを知ったのでした。 リンドグレーンの挿絵画家の自伝的な作品。小国エストニアに生まれ、祖国はドイツに次はソ連に荒らされスゥエーデンにのがれた。愛してくれる肉親の助けで救われ、たぶん運が良いほうであったと思うが、それでも過酷な難民生活であったことは間違いない。今も、同じことが続いているかと思うと、過去の物語とは思えない。