2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧
わたしは夢を見つづける 作者:ジャクリーン・ウッドソン 小学館 Amazon 散文詩の形式で書かれた作者の子ども時代からの物語だが、切れ切れの思い出から一つの人生が語られるような雰囲気が素晴らしい。南部出身の母さんと北部出身の父さんは、ジャクリーンが…
13枚のピンぼけ写真 作者:キアラ・カルミナーティ 岩波書店 Amazon 1914年。戦争の始まりはイオランダの運命を大きく変える。イタリアの田舎の村からオーストリアに妹以外全員で出稼ぎに出ていた一家。父と兄二人は線路工事の仕事、母とイオランダは紡績工場…
ケケと半分魔女 魔女の宅急便 特別編その3 (福音館創作童話シリーズ) 作者:角野 栄子 福音館書店 Amazon 魔女の宅急便の登場人物ケケが書いた作品、という設定だが、その設定をのぞいたら『魔女の宅急便』とは関係ない!? とも言えるので、販売戦略でつけた?…
女王ジェーン・グレイは九度死ぬ ~時戻りを繰り返す少女と騎士の物語 (二見サラ文庫) 作者:藍川 竜樹 二見書房 Amazon 即位わずか9日、16歳で処刑されたジェーン女王。なぜか9歳の時に舞い戻った。同じ出来事が起こる。少しでも生き延びようとあがくが、先…
ぞうくん かいぞくになる 作者:セシル・ジョスリン 出版ワークス Amazon スペインで夏休みをすごしているぞうくんが、現地のおてつだいさんパイラーさんから片言のスペイン語を教えてもらって、スペインの海賊になって宝探しをする物語。ウキウキするごっこ…
わたしが鳥になる日 作者:サンディスターク・マギニス 小学館 Amazon デセンバーはもうすぐ12歳。いろいろな里親にあずけられたことがあるが、長続きしたことはない。デセンバーの背中には傷がある。それはその下に翼がある証。いつかそこを突き破って翼が…
マンチキンの夏 作者:ホリー・ゴールドバーグ・スローン 小学館 Amazon 12歳のジュリアは、せっかくの夏休みだというのに、10歳の弟ランディと一緒に、地元で上演するミュージカル「オズの魔法使い」のマンチキン役のオーデションを受けることになった。…
香君 下 遥かな道 (文春e-book) 作者:上橋 菜穂子 文藝春秋 Amazon 恐れていたオオマヨの大発生。その折、島国のオゴダ藩王母ミリアは、塩分を嫌うはずのオアレ稲を島で育てることに成功していた。しかもその稲はオオマヨにも耐える。だが、アイシャはその新…
香君 上 西から来た少女 (文春e-book) 作者:上橋 菜穂子 文藝春秋 Amazon 読み始めてすぐ、これは『樹木たちの知られざる生活』ペーター・ヴォールレーベン著を連想した。植物学の研究成果を、香りで理解する物語だ! と思いました。主人公アイシャは15歳。…
サムデイ (Sunnyside Books) 作者:デイヴィッド・レヴィサン 小峰書店 Amazon 毎日、一日だけ違う人間に憑依してしまう意識だけの存在Aの物語『エヴリディ』が衝撃的で面白かっただけに、その設定をリサイクルした感じの続編はちょっと内容がレベルダウンで…
落語少年サダキチ(よん) (福音館創作童話シリーズ) 作者:田中 啓文 福音館書店 Amazon サダキチこと忠志は、今回もサダキチのマネージャーを自任するお調子者の級友真一のせいで、三題噺をすることになったり、田舎で落語会をするはめに陥ったりと大騒ぎ。江…
図書館図鑑 金の星社 Amazon わざわざ「図鑑」という名称にした理由がわからない。「図鑑」の定義を調べてみると、特定の主題や事物、生物を名称を見出しにして、絵や写真、図表などを主体として編集と定義されているが、他の社会科見学や職業紹介シリーズの…
魔笛の調べ2 消えたグリフィン (魔笛の調べ 2) 作者:S・A・パトリック 評論社 Amazon 笛吹きの野望をとりあえず阻止したものの、パッチは、敵だと思い込んで湖に突き落としてしまったアーナーを探さなければならない。魔女アリーナ、ネズミにされたレン、グ…
ぼくの弱虫をなおすには (児童書) 作者:K・L・ゴーイング 徳間書店 Amazon ゲイブリエルは、自信をもって自分は弱虫だと言える! だから5年生になりたくない。高学年の校舎に移れば、いじわるな1年上級生のデュークやフランキーにいじめられるから。4先生…
*1" title="クジラの骨と僕らの未来 *2" /> クジラの骨と僕らの未来 *3 作者:中村玄 理論社 Amazon 動物が好きだった子ども時代。中学校の授業でウシやブタの内臓を観察させてくれる体験をさせてくれた女ドリトル先生と言われた菊池昌子先生と出会い、内臓や…
建築家になりたい君へ (14歳の世渡り術) 作者:隈研吾 河出書房新社 Amazon 新国立競技場を建設した隅研吾氏が、自分が建築家になった経緯を自伝的に書いた本。小学校4年で当時の国立競技場の建築を見て夢中になり、大学は建築学科に進むが、アフリカの建築…
この世界からサイがいなくなってしまう アフリカでサイを守る人たち (環境ノンフィクション) 作者:味田村太郎 学研プラス Amazon サイが、密猟のために絶滅の危機にさらされていることを訴えているノンフィクション。語り口がやわらかい割には、「多様化」「…
捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ (SDGsノンフィクション食品ロス) 作者:井出留美 あかね書房 Amazon 著者は栄養学の博士だが、著書をみると、主に一般書。児童書なのを意識して文章を書いたと思われるが、いかにも子ども向けに書いています、という文…
風の神送れよ (ブルーバトンブックス) 作者:熊谷千世子 小峰書店 Amazon コロナ下での疫病を追い払うための子どもだけで行う伝統行事をテーマにした本。タイムリーだが、読み始めてすぐ違和感を感じた。主人公優人が微熱を出すところから始まるけど、発熱し…
りんごの木を植えて (ノベルズ・エクスプレス 50) 作者:大谷 美和子 ポプラ社 Amazon 小学校5年のみずほは、おじいちゃんのようすがなんとなく変だと思う。いやな予感は的中。5年前に手術した癌が、肺に転移したというのだ。庭の手入れや絵を描くことが大…
みんなのためいき図鑑 作者:村上 しいこ 童心社 Amazon テンポよく読みやすいのは間違いないし、部分的には楽しいのだが、全体がなんだか変な感じがした。主人公は、たのちんこと田之上嵐太。授業で班で何かの図鑑をつくらなければいけないのに、何も案が浮…
ばあばに えがおを とどけてあげる (評論社の児童図書館・絵本の部屋) 作者:コーリン・アーヴェリス 評論社 Amazon 大好きなばあが、最近笑顔がない。ケーキも焼かないし、そうじもしてない。ファーンが心配してママに聞くと、「喜びが消えちゃったみたい」…
セカイを科学せよ! (文学の扉) 作者:安田 夏菜 講談社 Amazon 藤堂ミハイルは、母親がロシア人。小さいころから日本育ちで、自分では日本人のつもりなのに、エキゾチックな顔立ちのせいでガイジン扱いされるのが嫌でたまらない。見た目がステキと妙な好意を…
すうがくでせかいをみるの (海外秀作絵本) 作者:ミゲル タンコ ほるぷ出版 Amazon パパは絵を描くのが好き、ママは虫や生き物を研究するのが好き、そしておにいちゃんは音楽が好き。私はなにが好きかな?と思って、いろいろやってみたけどピンとくるものがな…
海を見た日 (鈴木出版の児童文学 この地球を生きる子どもたち) 作者:M・G・ヘネシー 鈴木出版 Amazon ナヴェイアの願いは、なんとかこのまま無事に中学生を終え、高校に進学して奨学金をもらい大学の医学部に進学すること。2歳で孤児になって、いろいろな里…
その扉をたたく音 (集英社文芸単行本) 作者:瀬尾まいこ 集英社 Amazon 老人ホーム「そよかぜ荘」のボランティアでギターと歌を披露した宮路は、最後に施設の職員が一緒に演奏してくれたサックスの音に目をむく。渡部という名札をつけたさわやかな青年。どう…
111本の木 作者:リナ・シン 光村教育図書 Amazon インド実際に実際にある村を元にした絵本。シャム・スンダル・パリワルは、小さな男の子だった頃、母親が毒蛇に噛まれて死んでしまった。大きくなったパワリルは、大理石工場で働くが、工場が土を掘り返し土…
江戸のジャーナリスト 葛飾北斎 作者:千野境子 国土社 Amazon 個人的には、こういう本は苦手。説明文を読んでいるようで味気なく、正直、読み進める意欲がわかなかった。ただし、説明文が好きな人なら、癖がないから読みやすいと思うのかもしれない。とはい…
おすしやさんにいらっしゃい! 生きものが食べものになるまで (かがくヲたのしむノンフィクション) 作者:おかだ だいすけ 岩崎書店 Amazon 子どもたちがお寿司屋さんにいって、キンメダイ、アナゴ、イカがさばかれてお寿司になるまでを見学してそれから食べる…
チョコレートタッチ (文研ブックランド) 作者:パトリック・スキーン・キャトリング 文研出版 Amazon ジョン・ミダスはたいていいい子ですが、お菓子に目がないことだけが問題でした。お小遣いはお菓子で消えてしまうし、お菓子を食べ過ぎてご飯がなかなか食…