児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

火狩りの王 (4)星ノ火

 

火狩りの王〈四〉 星ノ火 (4)

火狩りの王〈四〉 星ノ火 (4)

 

 神宮をめざしての動きは阻止されて戻されるのだが、頑張って読んでいても、海、貧民街、工場地帯、お屋敷街、木々人がいる森、神宮の距離感がイメージできなかった。4巻を読めば神族や過去、このような世界になった経緯がわかるかと耐えて読んでみたが、結局不明。頑張って解釈すると、過去、兵器を使った最終戦争があった。核は使ったのか使わなかったのかよくわからないが人体発火というウィルス攻撃?のせいで人間は火を使えなくなる。たぶん神族というのは遺伝子操作かなにかした一族らしい。火の代わりに使われるのが、炎魔という森の中の獣の中の火。食料は不足していて工場で偽肉を作っている。揺るる火は、結局人工衛星っぽいイメージだが、機械なのかヒューマン型アンドロイドなのかよくわからない。そして揺るる火を狩ると王になると、うわさを流し、灯子が狩ったのに、明楽がなる。で、王ってなにするの? 等々最後までわからなかった。1巻の謎があいまいのまま、なんとなくイメージで物語が進み、終わった感じです。もう少し世界のシステムが描かれていないと、納得がいきません。蜘蛛族が見つけた、人体発火を抑える虫の利用だけでもけっこう重要だと思うのですが、最後まであいまいな部分が多すぎて理解できませんでした。

火狩りの王 (3)牙ノ火

 

火狩りの王〈三〉 牙ノ火 (3)

火狩りの王〈三〉 牙ノ火 (3)

 

 ≪揺るる火≫が、疲れ果てた少女の姿で登場。煌四の妹が、急に変身をとげて恐ろしいほどの強さを表す。いつの間にか体を変えられていたのだ。蜘蛛の一族に死後の幸せを約束されて従った人々や、新しい神の依り代として選ばれる綺羅など、3巻になっても次々にいろいろな事件が起こるのだけれど、例えば煌四の考えた爆撃は蜘蛛を殺したようだけど、それがどういう作用で殺したのか、読んでいてもわからない。神宮に向かったはずの明楽も結局はたどり着けず再会するなど、なんだかそれぞれがいろいろ動いているようだけど何も起こっていないかのよう。この巻で流れた時間は1~2日? ろくに食べず、眠らず、負傷もしまくりで、やはりなんだがリアリティがない気がしちゃいました。次巻でどうまとめる?

火狩りの王 (2)影ノ火

 

火狩りの王〈二〉 影ノ火

火狩りの王〈二〉 影ノ火

 

 首都に到着した灯子たち一行は、回収車の乗員だった昭三の家に身を寄せた。灯子はかなたを家族に返そうとするが、かなたが連れて行ってくれた家は無人。しかし偶然によって綺羅に、煌四と会うことができる。煌四は火狩りの炉六に助けられながら何が起きているか探ろうとする。そうした中で首都にいる木々人に出会うが、彼らは村の近くにいた木々人とは違い、自らを失敗作だといった。そして情報を求めて動いていた一行はしのびのまとめを行う神族、風氏族のひばりという少年神と出会う。そして蜘蛛の一族がついに首都の結界を破って侵入してこようとした。
物語が広がっていくのだが、その割には主要登場人物だけが偶然に出会い、彼らだけが活躍する感じがちょっと不自然。しかも大けがを負ったり、危機に陥ったりして、もうダメ風なのに、なぜかそれでも歯を食いしばって何とかするって、できるんでしょうか? 世界のイメージはあるけれど、ちょっとシステムとして機能しきれてないのではないかと心配になってきた2巻目、一応、どうやってまとめるのか読み続けます。

火狩りの王 (1)春ノ火

 

火狩りの王〈一〉 春ノ火

火狩りの王〈一〉 春ノ火

 

 一度崩壊した世界。黒々とした森の中に点在する村で細々と暮らす人々がいた。天然の火が近くにあると発火してしまうため、人々が使うのは火狩りが狩った炎魔たちから採る特殊な火のみ。灯子は森で炎魔に襲われ、火狩りに助けられるが、代わりにその火狩りは命を落としてしまった。彼の犬だったかなたは、以降灯子から離れなくなる。犬と彼の残した火狩りの鎌と守り石を返すため、灯子は火狩りが住むという首都に向かうことになる。村々から産物を集めて首都に向かう回収車に乗っていくのだ。一方首都ではその火狩りの妻が病気で命を落としていた。本来なら工場で働くのに、その才能を認められ奨学金で学院で学んでいた煌四は、病弱な妹緋名子を抱えて途方にくれていた。そこに手を差し伸べてきたのは資産家燠火家の当主だった。一人娘の綺羅は美しく優しい。緋名子は優秀な医師をつけてもらい体調が改善していった。当主は、代わりに雷火を使った武器の開発を依頼してきた。今、首都は不安定になり、神と神から追放された一族蜘蛛との対立が深まり危険な状態にある。武器がなければ人間は誰にも守られれずに破滅するというのだ。首都に抜かう途中、回収車が襲われ灯子は仲間2人とかろうじて脱出して首都に向かうことになるが、各地に異変が起きていることを知る。そして煌四も、千年彗星が近づいているという謎の知識を手に入れる。終末もので、なかなかスリリングな展開。ちょっと先が楽しみ。

見知らぬ友

 

見知らぬ友 (世界傑作童話シリーズ)

見知らぬ友 (世界傑作童話シリーズ)

 

 1966年生まれのアルゼンチンの作家による短編集。ちょっと皮肉をきかせたショートショートという感じで、私の好みではなかったが、こういう作品が好きな子もいると思う。あまり惹かれなかったのは訳文のせいもあるかもしれない。例えば「そこから知的で心おどる考察をひきだす。」というような漢語を使った文が多くて、私には読みにくかった。ひょっとしたら、意図的に使っているのかもしれないが。

作品の中では飛行機で隣に座った一人旅の男の子との会話「飛行機の旅」の一瞬の出会いのドラマが良かった。もうちょっとやわらかい訳になると雰囲気が変わるような気がする。

ネバームーア2 魔法学園の危機

 

2巻目に入り学校に入学したせいもあってか、おそろしくハリーポッターに似た感じになってきた! 学校に行くための専用ホームトレイン、いじわるなオンストールド教授と、若くて親しみやすいミルドメイ先生、同期の9人の友情関係。楽しいイベントや珍しい場所の描写など、雰囲気がそっくり。ハリポタファンにはたまらないのではないか? だが、正直いってハリポタの欠点も増幅されている感じで、私の好みではなかった。描写が極端で、その人物像の裏があまり感じられない(特に裏切り者)。楽しい描写が派手なパーティだったりすごいマーケットだったりするが、もうちょっとふつうの場面の内面描写がある作品が個人的には好きなせいだろう。映画にでもなればとても面白いとは思うのだが。 

 

色どろぼうをさがして

 

 12歳のイジーは、最近親友だったルーとの仲が悪化している。急にオシャレで派手になってきたルー。でも、変わったのはイジーだとルーは言う。そうかもしれない、あの交通事故から混乱しているから。昏睡状態から目覚めないママ。そして悪夢がイジーを悩ます。謎の男が毎回夢に出てきて、その夢をみるたびにママが描いてくれたくれた壁の絵から色が消えていく。ルーにかわって隣の席になったフランクや、隣の家に引っ越してきた車いすの男の子トビーとの友情に助けられながら、しだいに立ち直っていくイジー。夢の中の男の謎解きは、ちょっとサスペンス風。見守る先生や、おばさんたちなどがしっかりしている。日本だったら「いつまでもくよくよしないで」とか「つらいことがあるからといって周りに迷惑をかけてはいけません」とまず言いそうなのに、やったことは悪くても辛いことはわかってる。いつでも相談しなさいと言い続ける姿勢はさすがイギリス。トビーとかできすぎかな、とは思うが辛い子どもたちがこんなふうに守られたら良いと思う。