児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

赤ちゃんとわらべうた―続 乳幼児おはなし会とわらべうた

落合美知子/編著 児童図書館研究会/発行 2023年7月

 

前書「乳幼児おはなし会とわらべうた」から、赤ちゃん(0~2歳前後)向けにしぼって、エッセンスをまとめた。

表から読むわらべうたの歴史、個人の体験記録、裏から読む実践編と資料編(わらべうたの楽譜やプログラム例)で構成。わらべうた索引には前書の掲載ページも載っています。

赤ちゃんおはなし会5年間の実践体験や、参加者・スタッフ双方の声が紹介され、このような会を始めたい図書館、もっとよい会にするには・・・と考えている方、図書館員におすすめです。 (は) 

乳幼児おはなし会とわらべうた

 

わらべうたが、なぜ子どもの成長に必要か。

わらべうたが、子育てへ、子どもと子どもに関わる人たちへ与えるよい影響。

長年、わらべうたの会や講座を行ってきた落合美知子さん。多くの親子と触れ合ってきた経験と、著者が指針とし、説得力を得た図書からの引用で、実践と理念の両方を伝えます。

「継続とくり返しが大事である」とくり返し述べていて、おはなし会に決まった「型(スタイル)」があると、子どもたちが安心して主体的に参加できるといい、そのためのプログラム例(わらべうたと絵本の組み合わせ)を、赤ちゃん、乳幼児、幼児、親子講座に分けて紹介。

わらべうたの楽譜や索引もあって、実践に便利。わらべうたの会の参加者・担当者の声も多く載せています。 (は)

きつねがはしる―チェコのわらべうた

 

チェコのわらべうたを、くっきり愉快な挿絵とともに、たっぷり38編。声に出すと、そのリズム感が楽しめます。

編訳者は子どもの頃チェコスロバキアに暮らし、チェコ語でわらべうたを聴いた経験がある。

ごく幼い子には、同じくヨゼフ・ラダ絵の『おおきくなったら』(内田莉莎子訳)や、『かあさんねずみがおかゆをつくった』(ズマトリーコバー絵、井手弘子訳、ともに福音館書店)の方が、訳のリズムがよくおすすめです。 (は)

新幹線と車両基地

 

東京から博多へ走る新幹線のぞみを例に、その速さのひみつ、客車の特徴や乗務員室のようす、さらには、新幹線が工場で作られる過程や、車両基地で行われる定期検査を解説。「乗務員室をのぞいてみました」「車体も、台車も分解します!」などの見出しが親しみやすい。

本書が児童書デビュー作だったが、現場を取材した驚きや発見を文章にし、イラスト図解と吹き出しで詳細に説明する、というスタイルを確立しています。 (は)

でんしゃ すきなのどーれ

 

正面から見た「かお」、横から見た「かたち」、「いろ」、「むかしといま」など、電車をずらっと並べてみせて、「すきなのどーれ」とよびかける。

余計な背景のないイラストで、さまざまな違いがよくわかります。

在来線に新幹線、市電や貨車、作業車が一堂に会し、すべて名前も示してあって、電車好きはもちろんのこと、詳しくない子もおとなも、好きなのを選んで楽しめます。 (は)

こころってなんだろう

 

心は目に見えないけれど、「だれにでもある」「どれも同じように動いて」毎日「だれかとかかわるときに動く」もの。そして、心が動いて生まれるいろんな気持ちを伝える「コトバ」と、自分の経験したことが入っている「きおくのひきだし」、この2つで心は出来ている。コトバの使い方とひきだしの中身は、人それぞれ違うから、ケンカになったりもする。泣いたり笑ったり、気持ちをコトバにして伝えてみたり、自分の気持ちに素直になることが大事、としています。

「どれも同じように動いて」という意味が、最後まではっきりとわかりません。

また、「とりあえず これがいえれば だいじょうぶ」という言葉として示す「たすけて」「ありがとう」「ごめんなさい」のセレクトは、いじめか何かを想定している?

教育的に使う意図を感じる流れと、こころを解説する難しさが見えました。 (は)

おかし ~おかしってはたらきもの!~

 

小学3年生のなおきの日常や成長をえがきながら、おかしのいろいろな側面を紹介していきます。

生まれて初めて食べたおかし、幼い子にとっては大事な栄養、るすばんもおやつがあればさびしくない、けんかになってもおいしいおやつで仲直り。おかしを贈ることで思いを伝えることもできます。「おかしははたらきもの!」なのです。

裏表紙をみると、なおきはパティシエになったようです。 (は)