児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

時をかける眼鏡 医学生と、王の死の謎

 

気楽に読めるラノベ。タイムトラベル物というので読んでみたが、異世界転生ものといっても良さそう。著者は元監察医とのことで、主人公遊馬(あすま)は監察医の卵。母の故郷マーキス島で、この島の法医学博物館を見学中にタイムトラベルしてしまう。おりしも、島を支配する王が殺害され、犯人が第一王子とされていたが、監察医としてその死の謎を解くことになる、という設定。この監察医としての能力がチートで、物語が都合よく展開していく感じだは、ラノベの定番。気分転換には良いかも。

パン焼き魔法のモーナ、街を救う

 

ハヤカワ文庫だが、原書はローカス賞ヤングアダルト部門等、ヤングアダルト関係の賞を総なめしたというヤングアダルト向き作品。主人公は14歳のパン屋で働く女の子。魔法が一応使えるけど、パン焼き限定で、パンが焦げたり固くならないようにしたり、ジンジャークッキーを躍らせたりなど、ささやかなことばかり。両親は亡くなったがパン屋の叔母の家で楽しく働いて満足している。なのに、ある朝店に入ったとたん目の前に女の子の死体があり、容疑者として逮捕されるという波乱の幕開けをする。女大公が、すぐに無罪だと認めて釈放してくれるが、亡くなった女の子の弟スピンドルが真相を知ろうと近づいてくる。姉は魔法使いだったというのだ。もちろんささやかな魔法しか使えないが・・・。そして街から魔法使いが消える事件が次々に起こる。裏には、全ての魔法使いを消し、街を襲って権力を握ろうとする陰謀があった。生意気だが機転が利くスピンドル。戦場でおかしくなったという何事にも無関心な魔法使い仲間モリー。さらにちょいワルのパン種ボブや傍らで励ましてくれるジンジャーブレッド人形など脇役もいい。絶対アニメ化されそうな内容。楽しく読めるが、同時にかつて戦争にいった叔父が語る戦争の真実など物語に奥行きを与えてくれるエピソードがあるのが、様々な賞の受賞の要因だと感じた。中高生が読んでも、大人が読んでも楽しめる。

闇の覚醒 死のエデュケーションLesson2

 

シリーズ2作目、前作より分厚くなって発行。いよいよ4年生の卒業を前にして、思いがけず自分のチームも手に入れたガラドリエル。だが、準備を進める中で、徐々に自分の力の高まりを感じる。そして、自分とオリオンが力を合わせれば、全員が無事に卒業できるのではという事に気づいてしまった。とはいえ、それだけでは足りない。そして、学校はガラドリエルに思いがけない意志を伝えてくる。4年生どころか、全員で学校を脱出し、同時に外の魔物を極力駆逐するという道だ。推理小説のどんでん返しのような展開が続く中で。ついに卒業の日が訪れる。彼女の計画は成功するのか?  実は、これを読みながら、ガラドリエルのキャラはラノベの悪役令嬢モノだなぁ・・・などと考えてしまった。自信がない自分に、実は評価が寄せられている。悪いことを起こすのではなく、むしろケタはずれのすばらしい事態を起こせるって、ちょっとあこがれですよね。悪役令嬢もの好きの子にすすめてみても良いかも。

音をつくろうでんわをつくろう

 

音が出る仕組みを考えるための実験の後、糸電話を応用したいろいろな実験が載っている。さいごは、糸やワゴムを使った楽器作りを紹介。初版が1979年で、イラストがやや古めかしい感じだが、実際にチャレンジできる感じの本なので、この本を参考にして実験をしてみたい。

ぼくたちは卵のなかにいた

 

卵の中の世界で暮らすリュウ。幼馴染のミサキやナオトと穏やかに暮らしていた。だが、13歳になったら、この世界から外に行くか中に留まるかを決めなければならない。リュウは外に行くことを決意する。外の世界とはまさしく私たちの世界で・・・という設定。なんだかフワフワしていて最後まで納得できなかった。卵の中の世界はユートピア的だが、受験もない昭和っぽい世界で妙に人工的。そして卵から出た時に憎しみを知る場所に行くが、ここまたわかるようなわからないような。都合よく食欲も渇きもなくなるし、そしてこの世界に来た後は、子どもが行方不明になった夫婦のところですっぽりおさまるけど、これでいいの? 異世界がきちんと描けずに、この世界からの連想でなんとなくイメージで描いたようで、最後までふにおちませんでした。

声をきかせて

 

地方の門前町でお香屋の家に生まれた砂凪(さなぎ)は中学2年生。両親はお店には関心を示さずかかわっていないが、砂凪は、なんとなくおばあちゃんについてお香のことを習っている。だけど、残念ながら匂い音痴で、香のかぎ分けがうまくいかない。幼馴染の珠季、悠、蒼太の4人組は今でもなかよしのつもりだったのに、突然悠は登校拒否になってひきこもり、蒼太はそんな悠に全く関心を向けようとしない。

音・光ふしぎはっけん

 

息を吹き込んだり、たたいたりして音を出すおもちゃ、鏡を使った光のおもちゃなどの作り方が載っている。簡単なものが多く、幼児でもチャレンジできそう。作り方の説明が、やや簡単なので鏡をつかったおもちゃは、高学年位でないとつくれないものもある。