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公平、いっぱつ逆転!

 

 

公平、いっぱつ逆転!

公平、いっぱつ逆転!

 
9月に転校してきた、白石公平は小学5年生。運動も不得意なさえない男の子だったが、新しい学校は、なんだか様子がおかしいことに気づく。
まわりが、公平を何故か空手の達人と怖がるのだ。さらに不思議なことに、朝自宅に届けられた謎の手紙には、みんなの温室を取り戻したい!助けて欲しい!という内容。果たしてどうなっているのか困惑する公平だった…
 
新しい不安な学校生活に、さらに不安要素をます展開が、どんどんまっていて、物語にはスピード感がある。しかし、公平を担ぎ上げて、権力を持つ長州という生徒と、対抗して行くというオチが分かると少しペースダウンする。そこの中だるみごろを見計らって、とってつけたように登場する黒正君の圧倒的強さと、キャラクター性の薄さが残念だった。長州少年の、大人を手玉に取る抜かりなさ、録音してまで弱みを握るしたたかさ(子供なのにここまでする??)だけが印象に残る話でした。御都合主義な感じが否めないけれど、相撲ネタを盛り込んできているので、ギリギリスポーツ小説に入れられるだろうか?