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魔法の声

 

魔法の声

魔法の声

 

 メギーの父は、物語の中の物や人をこの世に呼び出す“魔法の舌”を持っていた。だが、誰がでてくるかはわからないし、何かを呼び出せば、代わりの何かが物語りに入ってしまう。『闇の声』を読んでいた時、恐ろしい悪人カプリコーンを呼び出してしまい、かわりに妻が本の中に消えてしまった。妻を取り返したい父を、カプリコーンは追ってくる。自分が必要な仲間をこの世に呼び出すために。叔母のエリノアや、元登場人物ホコリ指の助けを借りて、メギーたちは、カプリコーンと対決する。 『どろぼうの神様』もそうだったが、どこかつくりものめいていて、素直に物語りに身をゆだねられない。解決も、ハッピーエンドとは微妙に言い切れない。こういうのが「好き」な人もいるだろうけれど。