
- 作者: 松田青子,ひろせべに
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2014/03/19
- メディア: 単行本
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トキオくんは、学校に行くのが嫌でたまらない。それは、人形を学校に持ってくるトキオくんを、クラスメイトが責め立てるから、トキオくんは友達の声を学校で聞くたびに辛い気持ちになってしまうのだ。飼っている猫のミケは、逆に学校へ行きたくてたまらない。ある日、トキオくんに頼んで、学校に連れて行ってもらうのだが、
いつものように、人形で責めたてたクラスメイトのコウキくんを、パクリと飲み込んでしまった。
なんでそんなことするの?は、トキオくんがミケに対して向けた言葉だが、ミケの行動はトキオくんの代理行動ともいえる。
可愛いペットが、なんだかとても恐ろしく、自分を変だと批判した友達が次々とミケによって、何らかの仕返しをされてしまうことで、ありがたいような、やり過ぎて怖いような気持ちにどんどんなっていくのだ。作者の松田青子さんは、『スタッキング可能』の人だったんですねー。そりゃあ、シュールな世界観はおてのものだろうけど、この感覚はなんとなく嫌な後味しかのこらない。最終的に、人と違う部分を否定すべきではないというテーマがあるにしても、報復の手段が何と無く悪意がみなぎっているため、ユーモアという解釈に至らない部分があるような気がするのだ。