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羽根の鎖

 

羽根の鎖 (Y.A.Books)

羽根の鎖 (Y.A.Books)

 

 エレイサの両親は、いつも忙しく何かをしている。彼女は鳥を見ることだけを楽しみに暮らしているが、ある日、飛翔する鷹に手を伸ばしたところ、降りてきた鷹に両目をついばまれて盲目となってしまった。エレイサと鷹は、鳥の国で裁判にかけられ、二人は決して切ることができない羽の鎖で結ばれてしまう。一方、道化をしている仮面少女もまた鳥の国に迷い込み、エレイサと鷹を助けようと手を差し伸べる。ババヤガーを連想させる鳥の足の上の家に住む魔女や、カラスのフキなど、神話的なイメージが交錯するが、イメージ先行でドラマ性が弱く、読み進めるのに苦労した。フィンランドのファンタジー。