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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

アリババの猫がきいている

 

イランで生れ、亡命した両親と共に転々として、今は日本に住んでいるアリババ。偶然のことからペルシャ猫のシャイフを飼うことになります。バザールで良い客を連れてくると言われているバザール猫として、人とモノの言葉がわかるシャイフ。そして、アリババにはバザール猫の言葉がわかり、すっかり仲良くなります。ところが、1週間の海外出張となり、しかたなく友人で世界の民芸品を扱う〈ひらけごま〉の店主石塚さんにあずけました。夜になると、店のさまざまな品物がシャイフに自分の話を始めます。このお店で、モノたちの願いをかなえてやりたいとシャイフは願います。さまざまなモノにまつわる世界のいろいろな人の思いが組み合わさっていくところが楽しい作品。読みやすく、世界を広げてくれる。