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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

風味三重○(○が三つです)

 

風味さんじゅうまる

風味さんじゅうまる

 

 かつて炭鉱のまちだった九州の福岡県飯塚にある菓子店一斗餡。大正10年創業で、現在は3代目の父が継いでいる。炭鉱夫たちの疲れを癒してきた甘い味。お兄ちゃんの北斗も長崎の菓子店に住み込みをしながら菓子専門学校に通学中。高校生の風味は祖父似で色黒でギョロ目なのに、お兄ちゃんは色白のイケ面で、風味はちょっとコンプレックス! 九州シュガーロードのお菓子コンテストに参加する話が持ち上がった直後、いつも元気だったおばあちゃんが入院、修行中のお兄ちゃんの突然帰ってくるなど事件が続く。おまけに風味自身も美術クラブでトラブルが・・・。和菓子づくりの奥の深さ、炭鉱の歴史にも触れ手堅く楽しくまとめている。果たしてお菓子コンテストに出すお菓子は? というドキドキもいい。お兄ちゃんが、和菓子職員としての覚悟を固め、新作お菓子風味三重〇も、特別賞を受賞、風味も美術部員と和解する。ただ、風味がお菓子コンテストに得意の絵で、大好きなアニメキャラ「ルーク」のポスターを作り、それがきっかけで最初のお客さんが来るという展開だが、これは著作権法的には問題では?というのがちょっと気になりました。図書館員としては・・・