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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

チトくんとにぎやかないちば

 

お母さんの背中に負ぶわれて市場へやってきたチト。きょろきょろしていると、お店の人がバナナをくれたりココナツをくれたり。チトは1つ食べては、残りをお母さんの頭のかごの中に。お母さんは品定めに夢中で、まったく気づきません。帰りのタクシーを呼び、かごを下ろしてみてびっくり。買ってもいない品物がたくさん入っています。そこへお店の人たちが来て「それはみんな ぼうやにあげたんですよ!」。チトもお母さんもにっこりで、うちへ帰っていきました。

西アフリカ・ナイジェリア生まれの作者と西アフリカ育ちの画家による。チトとほかの人々のようすが同じトーンで細かく描きこまれているので、近くでじっくり楽しむ絵本。
同じ題材なら『ジンガくんいちばへいく』(福音館書店)がおすすめ。

また、頭のかごの中身が知らないうちに・・・という話なら『ハンダのびっくりプレゼント』(光村教育図書)が、集団への読み聞かせにはおすすめです。 (は)