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さすらいの旅 続・いきのびるために

 

さすらいの旅―続・生きのびるために

さすらいの旅―続・生きのびるために

 

 母や姉たちと別れ別れになってしまったパヴァーナは、父とともに母を探しに旅に出るが、父は病でなくなってしまう。一人さまよう中で、無人の村で赤ん坊を見つけハッサンと名付ける。足を失った気の強い男の子アシフ、地雷原のそばで死にかけた祖母と暮らす女の子レイラと出会う。パヴァーナは、最終的に子どもたち4人で難民キャンプになんとかたどり着くが、そこでも地雷でレイラを失う。次々に命が失われていく不条理と絶望。だが、偶然母たちと再会を果たし、やっと救いをえる。母親と運よく再会できるという幸運は、都合よいものに思うが、同時にそうでもなければ救われないので、この結末でよいと思う。パヴァーナと別れ、フランスをめざしたショーツィアの運命も気になる。