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母さんは虹をつくってる

母さんは虹をつくってる (あさがく創作児童文学シリーズ9)

母さんは虹をつくってる (あさがく創作児童文学シリーズ9)

概要

東日本大震災で出張中の母親を津波でなくした「ぼく」は、祖母と一緒に宮城県に住むことになる。

クラスには、同じく震災で両親と妹を亡くした宇津木もいるが、いずれもそのことはクラスでは伏せられている。

「ぼく」の耳には、時折死んだ母親が話しかけてくる。生き残っているものへのメッセージとして、虹を架けるのだと。

クラスに心開かない宇津木に対し、「ぼく」はなんらかのアクションをかけようとする。心療内科の医師の後押しもあり、少しづつ彼の心を開くことに成功する。

クラスの行事もいろいろあって、「ぼく」は、宮城に来て良かったと思うようになる。みんなを祝福するように虹が架かる。

朝日小学生新聞に連載されていた作品。

感想

装丁・挿絵を含め、全体的にどうも素人っぽい。

母親の声が聞こえてくる設定も、ファンタジー要素なのか、単なる妄想なのか不分明で、不自然。

震災を直接的にテーマにした作品という点では、まだ珍しいのだが、そこまでではないか。勝ち気な女の子、内気な男の子、美人の心療内科医と、登場人物の像も類型的。

評価

リクエストで購入したが、児童閉架相当である。