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はじめまして茶道部

 

はじめまして、茶道部!

はじめまして、茶道部!

  • 作者:服部千春
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: 単行本
 

 6年生の陽介は、たまたま嘉瀬で休んだ日に、同じクラスで幼なじみのナツメに勝手に茶道部への入部届をだされてしまった。取り消そうとするが、ナツメがワケアリなようすや、部活の担当柳原先生が、学校一の感じのいい美女先生だったこと、そして出されるお菓子のおいしさに流されて、茶道を続けることになる。最初は理由をはなさなかったナツメだが、家の押し入れの奥に茶道具一式があったこと、それが母方のおばあさんのものだと言われたけれど、母方のおばあさんには今まで一度も会ったことがなく、詳しく聞いても相手にしてもらえないから、茶道を習えばなにかわかるかもしれないと思って親に内緒ではじめたこと。友だちを誘っても誰もつきあってくれなかったので陽介を巻き込んだという事情を打ち明けてくれた。授業参観日に部活も公開することになり、柳原先生は、茶道教室の藤本先生といきびしそうなおばあさんを指導のためにきてもらった。そして当日。プリントをわたさなかったのに、陽介のお母さんに誘われて、ナツメのお母さんが来てしまった。勝手に茶道部に入ったことがバレてしまうが、そこでは意外な展開が待っていた。 気軽に読める部活もの。文化部をテーマにした児童書は少ないので編集部が企画して作者に持ち込んだようすがあとがきでわかる。そこで作者が茶道について調べた感じだが、それだけにさほど茶道への思い入れはないように感じた。ずっと茶道をやってきた人が書いたら、茶道の描写はどうかわるかな? また(この後ネタバレ)茶道なんてどうでもいい、として駆け落ち結婚したナツメのお母さん、わざわざ茶道の道具を持ってきてしまっていたのはなぜ(しかも反発した母親のものを)という点はちょっと突っ込みたい気分になった。