箱根駅伝常連校だったのに、ついにシードからはずれてしまった日東大。監督成竹は、オリンピックマラソンランナー候補の神原八雲を走らせたかった。だが、八雲はマラソンは走るが、駅伝には興味を示さない。だが、八雲と共に訪れたボストンマラソンで、成竹は曽祖父の遺品の中にあったという日記をアメリカ人から渡された。それは、軍事一色で染まり、スポーツまでが贅沢とされた戦時中に箱根を走りたいと願った大学生の日記だった。禁止されてもせめてもと青梅までの駅伝を行い、さらにどうしても箱根へと、靖国神社からスタートして箱根神社に詣り、靖国に戻る。そして戦地に向かうといって、ついに軍部からもぎ取った許可。現代と過去の物語が交互に語られる中で、駅伝の意味とは何なのか? なぜ駅伝でなくてはならないのか? と問われていく。戦地に行ってついに帰らなかった多くの大学生たち。ラスト成竹監督自身が、思いがけない真実を知ることにもつながっていく。平和に駅伝が走れる世界を守りたい。