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エリザベス女王のお針子 裏切りの麗しきマント

エリザベス女王のお針子 裏切りの麗しきマント

エリザベス女王のお針子 裏切りの麗しきマント

仕立て職人の娘メアリーは、幼い日に母を亡くし、父と慎ましく暮らしている。お仕えするシドニー卿の妻と娘は無慈悲だが、卿は良い方だ。だが、卿の親戚のウォルター・ローリーが来てから事件がはじまる。失脚後、再度、女王の寵愛を得ようとするローリーは、メアリーの刺繍の腕を見込んで、美しいマントを注文する。だが、ローリーの陰に隠れて女王を暗殺をたくらむ陪臣たちの計画を偶然聞いてしまったため、父は殺され、メアリーも危険な立場となった。ローリーの引立てで宮廷に出たメアリーは、女王のお針子に取り立てられた。メアリーは暗殺計画を防ぎたいと願い、懸命に警告に走る! イギリス史を知らないとわかりにくいが、素朴で、刺繍の腕に誇りを持つメアリーや、野心家で魅力あるローリーなどのキャラクターがくっきり描かれている点は魅力。でも、メアリーがいとこのハルと結ばれなかったのはちょっと残念。