児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

いいたいことがあります!

 

いいたいことがあります!

いいたいことがあります!

 

 最近、陽菜子はお母さんにおこられてばかり。中学受験のために行っている塾の成績もイマイチでやる気がでないし、家のお手伝いもつい忘れがち。おじいちゃんが早く死んでおばあちゃんが働いていたから、お母さんは小学校から家事をやっていたて、さらに成績も良かったと叱られるのだ。落ち込んでいる陽菜子の目の前に、ちょっと不思議なスージーと名乗る女の子が現れた。「わるい親は、子どもを見ていない・・・自分がさせたいことを押しつける。しかも、それを自分で意識していない・・・」とまるで陽菜子の心を代弁するような言葉を書いた彼女のメモ帳。一緒に遊んで楽しかったクラス・メートが、実は悪気はないけど地元の中学に行ってくれる仲間が欲しくて積極的に誘ってくれたと知ってショックを受ける。進学校に行って野球部で頑張っているからといってお兄ちゃんは何もせず、家事は陽菜子だけがしなくちゃいけないのもモヤモヤする。お父さんは出張が多く、ほとんど話もできない。自分は何がしたいのか? 何がいやなのか? そしてスージーの正体は? 本当をいうと、スージーの正体、私はすぐにわかりました。でもわかっても、単に陽菜子の問題だけではなく、お母さんがからめとられている物についても焦点を当ててるところが面白い。ちょっと親子で読んでみたい本。