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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

さいごのゆうれい

 

ハジメは、小学校5年の夏休みをおばあちゃんの田舎で過ごした。そこで出会ったのはネムという幽霊の女の子。幽霊がどんどん減っている。みんなが幽霊を忘れているせいだから、思い出させるために騒ぎを起こしたいのだという。なんだか、のほほんとしたファンタジーだが、悲しみを知らないと何気なく書かれている意味がラスト近くでわかる。こういう作品は、好きな子はとても好きではないかと思う。私、個人としてはちょっと好みのストライクからは外れるが、最近出版が続く斉藤倫さんが、個性がある作家であることは確かだろう。