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台湾の少年1 統治時代生まれ

 

蔡焜霖は、1930年日本統治下の台湾に生まれる。大家族の中で素直に育ち、成績が良かったので上級学校へ進むが、戦時下で勤労奉仕が続く。やっと敗戦。いきなり今までの日本語教育から中国語へと切り替わる。混乱する政治、蔡は、たまたま読書会に少し顔を出しただけなのに、思想犯として逮捕される。淡々と進む物語は、日本の戦時中の子どもたちとも被るが、敗戦後にさらに困難が待ち受けているところが何とも恐ろしい!