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セント・イージス号の武勲

 

ポルトガルで起1755年におきたリスボン地震。その前から没落にむかっていたトビーは、地震と、その後の疫病のせいで孤児になった。食堂で奴隷のように働く暮らしをしている中、ナポレオンのせいで交戦中のイギリス船の乗組員となりそこから脱出した。だが、交戦する戦場より投げ出された。アランを救ってくれたのは奇妙な船だった。子どもでもきちんとした扱いを受けることができ、教育もしてくれる。それはイギリス軍が蒸気機関の実験をするために作った試験船セント・イージス号。さらにアランはそこで、リスボン地震津波をきっかけに散った島の娘ファーダと、彼女がきずなを結んでいる不思議な海の生物(大海蛇シーサーペント)とも知り合いとなる。ナポレオンのフランスとイギリスの海戦を背景に、未来を拓くアランの姿が描かれる。