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家なき鳥

 

家なき鳥

家なき鳥

 

 

舞台は現代インド。少女コリーの結婚は、病気の息子の治療費欲しさの持参金目当てのものだった。夫はすぐ死に、彼女は13歳で未亡人となった。姑に辛く当たられながらも、同情してくれた舅から、字の読み書きを教えてもらい、読む喜びを知る。だが、舅の死後、じゃまものになった彼女は「未亡人の町」に置き去りにされた。幸い、援助を受け刺繍の才能を活かして自立。ついには持参金が無くても、一緒に語り合える妻が欲しいと理解しあえる夫ととの新生活に踏み出す。 インド版おしん。字も読めずに13歳くらいで結婚する少女がいる一方で、コンピュータやテレビに囲まれた暮らしのあるインドの現在のようすが興味深い。

ちなみに我が家の次女は、中学生の時にこれを読んで以来、この物語にはまってしまった。おかげで、高校を中退した時も、インドなら行きたいというのでインドに1週間ほど単身行かせた。それで素行が改まりはしなかったが、インドの家庭にホームステイして、マザー・テレサの施設でボランティア体験という経験はなかなかの衝撃だったようだ。生まれたばかりの赤ん坊が施設に連れてこられたりしていたとか・・・。今、注目のインド! せめて本ででも出会いましょう。