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ゆうかんな猫ミランダ

 

ゆうかんな猫ミランダ

ゆうかんな猫ミランダ

 

 古代ローマ元老院のお屋敷で飼われている猫ミランダは、ローマ中に名をはせる、堂々たるお母さん猫です。犬さえ蹴散らし誇り高く生きています。あるとき、蛮族の侵入で、ローマは大火に見舞われます。家族はミランダとそのプンカの二匹を連れて馬車で逃げようとしますが、馬がきらいなミランダは、隠れて出てきません。やもなく猫を置いて逃げ出します。迫る大火の中でも、ミランダは、落ち着いて逃げ道を探します。そしてプンカとともに、逃げ遅れた子猫を助けながら進み、ついにコロッセオにたどりつきます。取り残されていたメスライオンを巧みに出し抜いて追い払い、猫の王国を築きます。飼主一家が迎えにきても、ミランダは、孤児となった大勢の猫をまもるためにとどまるのでした。 あくまでも、堂々たる猫としてふるまうミランダがとても魅力。アーディゾーニの差家もいい。