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かまきりっこ

 

かまきりっこ

かまきりっこ

 

 219匹のかまきりっこが生まれるけれども次々に捕食されて少なくなっていくものがたり。ウォーリーをさがせ風に隅から隅までいっぱい書いてあって、かまきりっこたちを探す楽しさがあるのだろうが、絵の情報に対して、文字の情報は圧倒的に少ないので、何を文字にするかは難しく、そのバランスが取れていない感じがする。名前があげられているかまきりっこと「あのこ」の「あのこ」「そのこ」「どのこ」という表現は、自分で探すのを促すのかと思うが、なんだかはぐらかされているよう。「のこったいっぴき じょうおうになって」というのも、一匹しか残らなかったを示したいなら「のこった たったいっぴきが」の方がいい気がした。またかまきり以外にもいろいろな生き物が登場するので、その説明的なものも欄外か巻末にでもあればいいのに、と思った。見どころは多いので、一人で根気よくこの絵本をながめて楽しむ子はいると思うのだが、ちょっと物足りない。