児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

みえない こいぬ ぽっち

 

みえない こいぬ ぽっち

みえない こいぬ ぽっち

 

昔、古い農家のかたすみに3匹のこいぬのきょうだいが住んでいました。とんがり耳のポインティとくるくる耳のカーリー、そしてまるい耳のぽっち。でも実はぽっちの姿はだれにも見えません。ある日、男の子と女の子がやってきてポインティとカーリーをペットにと連れていきます。残されたぽっちは後を追いかけますが、途中で見失ってしまいました。「魔法の本」を持っているコクマルガラスに出会ったぽっち。「みえない」ものを「みえる」ものにする呪文を教えてもらいます。そして9日間欠かさず唱えつづけたことで、ぽっちは本当に、まるい耳をしたみんなに見えるこいぬになったのです。
ガアグ作”NOTHING AT ALL”の新訳。村中李衣訳『なんにも ないない』とそれぞれに訳文の工夫はありますが、”これっぽっちも見えない”の「ぽっち」という名前にしたことで内容が想像しやすくなりました。また、冒頭の原文の順番を少し変えてまず3匹の犬の特徴を明示し、登場人物をはっきりイメージできるようになっています。 (は)