児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

都会のトム&ソーヤ 5 

 

 

都会のトム&ソーヤ(5)IN塀戸下 (YA! ENTERTAINMENT)

都会のトム&ソーヤ(5)IN塀戸下 (YA! ENTERTAINMENT)

 

 

 概要

第5巻目にして、物語は一気に長編に。

栗井栄太の新しいゲームの挑戦を受け、塀戸村に集められた創也たちは3日間のリアルロールプレイングゲームに挑むことになる。

感想

私はどうも推理小説が苦手で・・・

SFでもファンタジーでもない推理小説というものは、色々事件が起きるにしても、ちゃんと合理的な説明、謎解きによって回収され、論理一貫して終わるのが大原則なのだ、ということは、理屈では理解しているつもりなのだが、栗井栄太が構想したゲームの筋書きをたどり、その枠の中ですべてが完結する今回の冒険は、「それは本当に冒険なのか?」「で、それで何か意味があるのだろうか?」「これだけのために、主人公たちはどれだけの手間をかけているのだ?、ありえなくね」とかと思ってしまうのであった。だって、すべてはゲームなんでしょう?

 

元々短編の集積だったはずのこのシリーズ、編集さんから今回は長さ制限なしで、と言われて喜び勇んで大長編になったということらしいのだが、私にはやや消化不良。

むしろ途中で挟まっている、無敵のボディガード卓也のエピソードとか、創也と内人の父親の語らう話なんかの方が、気が利いていて楽しかった。大人にはちゃんと大人の世界があるのだ。