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都会のトム&ソーヤ11 double 上下

だいぶ横道に脱線していたように見えるこのシリーズ。本巻はようやく本筋に戻り、私は割と好きです。

伝説のゲームクリエイター栗井栄太の新作ゲームDOUBLEをプレイする事になった創也と内人その他の面々。街を丸ごと舞台にしたR・RPGであるDOUBLEは、どこからどこまでがゲームなのか、現実なのかの境界が読んでる方にもわからんというシロモノ。このだましっぷりは、上下二巻で展開するだけのことはある。上巻でずいぶんその大風呂敷を広げたなあと思ったけれど、最終的には無理なく、いや、無理はあるが、無理に無理を重ねる推理で創也がゲームの骨格を暴き、栗井栄太に勝利する。

この物語は推理小説ではないし、謎解きというわけでもなく、得体の知れない超能力並の特殊技能をもったキャラクターが跳梁跋扈して筋を強引にすすめていく(主人公がすでにそうだ)その破壊っぷりを味わう物語だから、無理があるとか、ないとか言うも愚かだった。

今後の伏線にしたいのであろう小ネタも随所に仕込まれているが、きっと行き当たりばったりの展開になるであろうことも、なんとなく読めてきたぞ。

 

都会のトム&ソーヤ(11)≪DOUBLE≫上 (YA! ENTERTAINMENT)

都会のトム&ソーヤ(11)≪DOUBLE≫上 (YA! ENTERTAINMENT)

 

 

 

都会のトム&ソーヤ(11)≪DOUBLE≫下 (YA! ENTERTAINMENT)

都会のトム&ソーヤ(11)≪DOUBLE≫下 (YA! ENTERTAINMENT)