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聊斎志異

 

聊斎志異 (岩波少年文庫 (507))

聊斎志異 (岩波少年文庫 (507))

 

 清の時代に著者がまとめた民間説話風の怪奇短編。高学年のよみきかせで「怖いお話をよんであげる」といって朗読すると興味を持つ子がいるのではないかと思う。だが、ここに出てくる幽鬼や妖怪たちは、なかなか義理堅く人間的。特に酒で仲良くなって固い友情を結ぶパターンが多く(「義理堅い亡者」「飲み仲間」、酒が飲めない人間としては残念。また、登場人物たちも清廉潔白な人間が尊ばれ、幸せになっている。1668年実際にあった地震を題材にした「大地震」など珍しい作品もある。お話を選べば、かなり小さい子でも楽しく聞けそう。