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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ラ・フォンテーヌ寓話

 

17世紀フランスの詩人がイソップなどを元に創作した寓話詩。

19世紀イギリスのデザイナー、ウォルター・クレインに刺激を受けたという画家の挿絵は、まさに物語る絵で、ミルクを売りに行く娘の皮算用がふくらむうちに歩幅が大きく速くなり、壺の中のミルクがちゃぷちゃぷはね出すようすときたら!(「ミルク売りとミルク壺」)。

ほかに、冬になってアリに物乞いに来たセミがにべもなく断られる「セミとアリ」や、素晴らしい歌声で客を魅了していた靴直し職人が、大金を得たとたん金を盗まれる不安で歌えなくなり、結局お金を返す「靴直しと銀行家」など全26話。

中学生以上の気楽な読書に。 (は)