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ナイチンゲールが歌ってる

 

ロッティは10歳。バレリーナだった母を亡くし、父親も知らずに、おばの元で暮らしている。バレエ劇場の衣裳係をするおばと、家事を手伝いながらバレエ教室に通うロッティの暮らしは貧しい。

さて物語は、ロッティが、誰にも言えない理由で子犬を飼い出すところから始まる。王立バレエ学校の中等部(クイーンズ・チェイス)の狭き門に合格し、寮に入ることになったロッティは、プリンスと名づけた子犬を、信頼する少女に託すが、なんとその少女は、憎たらしい同期サルヴァトーレの妹だった!

クイーンズ・チェイスでは、大切な友アイリーンや、生徒思いな教師たち、寮母と出会う。一方で、ロッティに好意を寄せるあまりのサルヴァトーレのいじめがエスカレートし、ある日ロッティは倒れてしまう。

ラストは、サルヴァトーレと共に、女王陛下の前で踊る大舞台に、犬のプリンスも共演!さまざまな経験をすべて糧にして役自身になること、それがかつての師に言われた言葉「ナイチンゲールをきくのよ」の意味だったと、ロッティは知るのです。

登場人物の多さ、バレエの専門用語も気にならず、おもしろく読めます。 (は)