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アザラシのアニュー(2024課題図書低学年の部)

 

物語絵本なのか、科学絵本なのか、なんだかイマイチわからなかった。流氷の上で生まれているけど、海に入るとヒトデやイソギンチャク、カニなどがいる世界。海の底も見えているし、沿岸? まわりから隔絶された流氷とおもっていたけどそうでもなかったのか? なんだかうまく実際のイメージがつかめなかった。母親がアニューを置いて、さっさと北極に行くのもビックリだったが、解説をみるとタテゴトアザラシの生態がそういうものらしい。ただ、予備知識がないと、これがアニューの個別の事例なのか、そういう生態なのかわからなくて混乱するのではないだろうか? 私が子どもなら、親が子どもを置いてどこかに行ってしまうというのは、けっこうショック。せめてお母さんに「ごめんね」とあやまるのではなく「わたしたちタテゴトアザラシは、みんな自分の力で北極まで行かなきゃならないの。あなたは、小さいけれど、もう何でも自分でできるわ、大丈夫、お母さんは先に行くけれど、かならず自分の力でたどりつけるわ」と励ましてあげればいいのにと思ってしまった。あと、シャチに襲われるシーンもあったが、シャチならこんな小さな氷の上なら上がってこられるのではとおもってしまった。全体にどのくらいリアルなのかよくわからない・・・