児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

星降る夜に

 

 

星降る夜に

星降る夜に

姉のヴィーダが、スプリングデールに引っ越してきてから様子がすっかり変わってしまった。明るく、妹のジェスをいつも気にかけてくれた家族思いの姉は、新しい家ではいつも苛立ち、突然みんなが傷つくような事を言うようになってしまった。また、降霊会や魔術に興味を持ち始め、何かを確かめようと必死になって周りが見えなくなっていた。
その原因は多分、意識があるにもかかわらず心を閉ざして病んでしまった母のせいでもあるし、新しい家にいる、人ではない何かのせいであるとジェスは感じていた。
 
新しい家にいる幽霊と、家族の喪失の物語。
兄のクレムと、新しい友達エイミーが、ジェス達と交差しない不自然さは、この物語のオチではあるが、散々オチにいくまでの伏線が長い割に、ラストがあっけない。もっとジェスとヴィーダのこころの結末や、元に戻って行く日常を描いて欲しかった。