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ぼくとテスの秘密の七日間(2015 課題図書 高学年)

 

ぼくとテスの秘密の七日間 (文学の森)

ぼくとテスの秘密の七日間 (文学の森)

 

 このはなしマンマ・ミーアです。バカンスでテッセル島に行ったぼく(サミュエル10歳)は、一つ年上のちょっと不思議な女の子テスに合う。兄さんのヨーレが足を折ったせいで、ぼくはテスと出歩くチャンスをつかむ。テスのお母さんはシングルマザーだが、テスは偶然のことから父親の名前を知った。そしてネットで調べ、観光PRのためコテージが無料で借りられるという偽メールで父親を呼び寄せたのだ。自分が生まれたことも知らない父親。おかあさんにもないしょに、父親を観察するテスを手伝うことになったぼく、ガールフレンドと一緒に来たお父さんは、全然父親らしくないけど、なかなかいい人物だった。自分が何者か打ち明けようとするが、ちょっとした行き違いで言えなくなったテスのためにぼくは動く。頭の回転が速いために、兄とちょっとぎくしゃくする家族の関係、ペットの鳥を亡くしたヘンドリックさんの存在はとてもいい。ただ、子どもしか対応しないのに、観光PRだと信じる?とは、お父さんのガールフレンドがすんなり納得してくれる?とか、ちょっと都合よすぎの感じが否めない。