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戦争はなぜくり返される? 平和と戦争の絵本3

 

戦争はなぜくり返される (平和と戦争の絵本 3)

戦争はなぜくり返される (平和と戦争の絵本 3)

 

 日本の歴史を元に、戦争の歴史について語られているが、基本的なことは知っていることが前提となって書かれている。例えば、従軍慰安婦という言葉が、説明抜きでポンと出てくる! 縄文時代には戦争がなく、弥生時代に戦争が始まったところからスタートしているが、佐原真氏が丁寧に論証しているのを読んだ時は感動したが、行ほどにまとめられると逆に読み流してしまいそうになる。また「進化しつづける人殺しの兵器」については図書館員が教えてくれる形式で書いてあるが、図書館員は資料を紹介し、この本のこの索引を調べてみると良い、とはその子どもが自分で調べられるように教えるのが役割で、学校の先生ではないので出典を示さずに直に数値を教えたりはしない。こうしたところが雑に描かれていると、全編の信用にかかわる。重要なテーマなので、もう少していねいさが欲しいと思った。