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おどろきのスズメバチ

世の中への扉 おどろきのスズメバチ

世の中への扉 おどろきのスズメバチ

概要

長年のスズメバチ研究者である著者が、日本で見られるスズメバチの生態、特徴、などについて解説する。

比較的小型のキイロスズメバチという種類は、巣を作らせると、最も大きなものを作り、かつ、環境への適応力があって都会にも進出していること、なんでも食べるところから昆虫界のハイエナと呼ばれている。著者のフィールドである横浜近郊の雑木林でも半径500メートルに19もの巣があったとのこと。この本では特にキイロスズメバチが詳しく描かれている。

著者は、百田尚樹の「風の中のマリア」にも情報提供したとのこと。

感想

中学生の時に、素手でスズメバチの巣を破壊して観察、刺されても、その魅力にとりつかれ、というあたりから

この人がスズメバチが好きなのだ、という事はよく伝わってくる。というか、何度も刺されたら死んでしまうっていう話しですよね。体質もあるのだろうけど。

この本では巻末に、スズメバチに出会ったときの対処法もまとめてあるが、要するに、逃げるしかない、という事らしい。それも手を振り回したりすると、かえって興奮させるので、姿勢を低くして、静かに遠ざかるのだと。

むやみに怖がるのではなく、冷静に対処せよ、と言われても、やっぱりこわいなあ。

家の軒先に今年もでっかい巣が出来そうで、その対処法を求めて手に取ってみた。研究者としては、あまり殺さずにすませたいそうで、それはごもっともだけれど、軒先の巣を、バシャッと全滅させる方法はしりたかったなあ。木酢液が忌避剤として有効かもしれない、という情報は参考にさせてもらいます。

図版はもっとあってもよかったかもしれないけれど、高学年用ならばまあ、妥当な量なのかも。ちゃんと読めばちゃんとおもしろい。