
- 作者: 中村雅雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/06/28
- メディア: 単行本
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概要
長年のスズメバチ研究者である著者が、日本で見られるスズメバチの生態、特徴、などについて解説する。
比較的小型のキイロスズメバチという種類は、巣を作らせると、最も大きなものを作り、かつ、環境への適応力があって都会にも進出していること、なんでも食べるところから昆虫界のハイエナと呼ばれている。著者のフィールドである横浜近郊の雑木林でも半径500メートルに19もの巣があったとのこと。この本では特にキイロスズメバチが詳しく描かれている。
著者は、百田尚樹の「風の中のマリア」にも情報提供したとのこと。
感想
中学生の時に、素手でスズメバチの巣を破壊して観察、刺されても、その魅力にとりつかれ、というあたりから
この人がスズメバチが好きなのだ、という事はよく伝わってくる。というか、何度も刺されたら死んでしまうっていう話しですよね。体質もあるのだろうけど。
この本では巻末に、スズメバチに出会ったときの対処法もまとめてあるが、要するに、逃げるしかない、という事らしい。それも手を振り回したりすると、かえって興奮させるので、姿勢を低くして、静かに遠ざかるのだと。
むやみに怖がるのではなく、冷静に対処せよ、と言われても、やっぱりこわいなあ。
家の軒先に今年もでっかい巣が出来そうで、その対処法を求めて手に取ってみた。研究者としては、あまり殺さずにすませたいそうで、それはごもっともだけれど、軒先の巣を、バシャッと全滅させる方法はしりたかったなあ。木酢液が忌避剤として有効かもしれない、という情報は参考にさせてもらいます。
図版はもっとあってもよかったかもしれないけれど、高学年用ならばまあ、妥当な量なのかも。ちゃんと読めばちゃんとおもしろい。