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クサヨミ

 

クサヨミ (21世紀空想科学小説 3)

クサヨミ (21世紀空想科学小説 3)

 

 中学校に入り、校庭で何部に入ろうかと考えていた片喰剣志郎は、カタバミの葉に手をついたときに幻影を見る。直後誘われた雑草クラブで担当の梅鉢先生から草の見たものをよみとることができる「クサヨミ」能力の保持者であることを知らされる。クラブには、もう一人秋野希林という気の強い女の子がいるが、能力が出るのは思春期のみで、すべての草に対してではないという。校庭のタラヨウの木に触れたときに見る、空襲の記憶と、当時の少女桔梗さん。彼女に空襲の危険を知らせたいと剣志郎は願う。 この物語で一番おもしろいのは、植物の「意志」の存在と、それを人間に伝えようとしているのでは?というとこだが、その場合、植物自身の意志でなければならないだろう。(人間への思いやりはアリか?)その設定が甘いため、ご都合主義を感じてしまう。21世紀空想科学小説のシリーズ。シリーズでそこそこ動いているが、個別に評価して読んでいこうと思う。