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木いちごの王さま

 

木いちごの王さま

木いちごの王さま

テッサとアイナは、ある日摘み取った木いちごの実から、虫を見つける。二人は、その虫を外に逃がしてやることにした。
また、別な日に、森で迷子になったテッサとアイナは、無事森の中で夜を過ごすことができた。それは、いつか助けた虫のおかげだった。虫の正体は木いちごの王さまで、たまたま虫に変身させられたところを二人に助けられたという。その恩返しだった。
 
北欧の淡々とした昔話のような物語。挿絵が、山脇百合子さんなので、楽しげな雰囲気が全体を覆っているし、なにより食べ物が美味しそう!
王様とはいえ、神様に、年に一度命をたやすく失う小さきものにされてしまう設定も面白い。その不思議さや自然の摂理を受け入れろと言わんばかりのフィンランドのどんな権力も自然には謙虚であれという意思が感じらる美しい物語だ。