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いつか帰りたいぼくのふるさと

 

いつか帰りたいぼくのふるさと―福島第一原発20キロ圏内からきたネコ

いつか帰りたいぼくのふるさと―福島第一原発20キロ圏内からきたネコ

 
20キロ圏内に残された一匹のねこを引き取った著者。飼い主は仙台にいて、やっと会えたのに一緒に住むことができない。震災後、なにもかもが変わってしまったことの喪失感が、猫のケティ目線で語られていく。最初は甘ったるいかなぁーと思う場面もあったが、原発事故後の現実を考えたら、これくらい甘くしないと辛すぎる気もする。
猫の写真で、手に取られやすい本ではあるが、あー、猫かわいそう!で終わらずに、いろいろ奥にあるメッセージが伝わるといいなと思える本だった。