西遊記の後日談をとった一話完結の連作。本巻には2話収録されている。
天竺から帰った悟空は再びサルの王様として花果山に。八戒は婿に入り、悟浄は三蔵につかえて長安にいる。
寂しさに耐えかねて長安の師匠のところに行った悟空は、そこで相談事を頼まれて、解決する。
気楽に読めて、さくっと話が終わり、懐かしのキャラクターにも再会できて、その後日談をふむふむと楽しめる。
もともとのお話を知っていればこそのお楽しみであるが、そうでなければただの妖怪退治もの、それもいささか緊張感に欠けるのでは?
なにしろお釈迦様公認、闘戦勝仏になった悟空。天界の諸将もいまでは敬語を使ってくれる立場。悟空も出世したのが、われわれ読者にはうれしくもあり、つまらなくもあり。