児童書評価のページ

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バレエ・シューズ

 

バレエ・シューズ

バレエ・シューズ

 

 ちょっと浮世離れした考古学者のマシューは、偶然の成り行きからポーリーン、ペトロヴァ、ポージーという3人の孤児を次々に引き取って甥の娘に託した後行方不明になってしまった。その娘、シルヴィアは乳母のナナの助けを借りて3人を育てていきますが、マシューからの仕送りがなくなったために下宿屋を始め苦労します。シルヴィァの苦労を見ている3人は、奨学金をもらって舞台芸術学院に通いながら、14歳になったら舞台謝礼を得ようと頑張ります。でも演技の才能があるポーリーン、バレエの天分があるポージーと比べ、ペトロヴァが大好きなのは機械いじり。でもお金を稼ぐことを考えると、そんなことは言い出せません。下宿人となった人たちも3人を応援してくれ、徐々に自分の道を見つけていきます。自分だけがみそっかすだと悩んでいるシルヴィァが一番輝くラストは、ちょっとうれしい。1930年代という古い時代に書かれたありきたりの物語のようで、自分の力でお金を稼ぎたい、自分の人生をつかみたい、という気持ちは今の子どもたちにも強く共感できるものと思う、