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ルドルフといくねこくるねこ

 

ルドルフといくねこ くるねこ (児童文学創作シリーズ)

ルドルフといくねこ くるねこ (児童文学創作シリーズ)

 

 ルドルフシリーズ3作目。前作でルドルフたちに挑戦に来たものの逃げ帰った市川のドラゴン兄弟と称する3匹の猫からのSOSで物語が動き出す。強くて凶暴な謎の犬が市川であばれ、ドラゴン兄弟の家のダックスフンドのモンタが襲われ、助けようとしたブラッド(兄弟の一匹)も重傷を負った。その反撃のために救援を求めてきたのだ。かくしてイッパイアッテナが助太刀にむかい、三兄弟のテリーが人質ならぬ猫質として残るといいだした。謎の犬の正体と、その犬の意図は? のらになったブッチーの新たな人生(猫生?)、テリーとの友情など、ちょっととぼけた味わいを持ちながら今回も楽しく読ませてくれる。そして冒頭で出てくる「I am a  boy.」という英語のテキスト表現のばかばかしさがバッチリ伏線になっているところなど、安定感があり楽しく読める。