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ぼくの犬は無口です

 

ぼくの犬は無口です (ユーモア詩のえほん・かぞくのうた)

ぼくの犬は無口です (ユーモア詩のえほん・かぞくのうた)

 

 ねこ、いぬ、めだかなど、ペットにまつわる詩をあつめた。阪田寛夫「ねこをかうきそく」、まど・みちお「クロとぼく」などペットへの愛情を素直に読めるもの。大橋政人「おわりだけではわからない」は、始めにつけた名前が呼んでいるうちに全然違う呼び方に変わってしまうあるある話。のら猫に井上という名前をつけた三十過ぎの姪っ子が出てくる「イノウエ」阪田寛夫は、なんだか笑ってしまう。「べんきょうは/なぜ しなくてはいけなくて/ひろった犬は/なぜ すてなくては いけないのかなあ」という工藤直子の「なぜ?」や、ぼくが犬をほおずりするようにおかあさんもぼくを抱きしめてという高崎乃理子の「おかあさん」は、子どものまっとうな理屈に大人がはっとします。イラストもそれぞれの詩のトーンに合っています。     (は)