児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

自然災害からいのちを守る科学 岩波ジュニア新書

 

 自然災害について、例えば地震発生のメカニズムや震度などの情報が要領よく記述されているので、調べ学習でも参考資料として使いやすい。いわゆる地震・火山などの災害に加え、台風や竜巻のような気象災害についても説明が詳しい。ただ、ここ数年特に洪水等の気象災害が頻発して警報の種類や表現が変わっていると思うので、気象庁のサイトなどで一部情報を確認した方がいいところがあると思われる。自然災害は複合的に悪化する場合があること(例:地震で土砂が川をふさいだところに雨が降ると洪水など)も書かれており、注意を喚起してくれている。「いのちを守る」とはあり、自分で防災地図を作ろう、チェックリストを作ろうなどの提言はあるが、1人ではできそうでなかなか取り組めないもの。学校などで、他の本と組み合わせ乍ら防災教育の資料として活用すると良いかと思われる。