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高校生、災害と向き合う――舞子高等学校環境防災課の10年

 

 阪神・淡路大震災を機に、全国で初めて設置された舞子高等学校の環境防災科。2002年4月の発足以来、災害を引き起こす自然環境と社会環境について学ぶ教育と、高校生たちによる被災地でのボランティア活動を積み重ねてきた。

”高校生、災害と向き合う”・・・生徒たちは、津波で住宅に流れこんだ泥と向き合い、被災者と向き合い、時には遺体を発見することもある。その高校生のエネルギーとコミュニケーション力に感動する。こんな風に若者が力を発揮できる社会、大人でないといけないなと思います。

環境防災科第1期生は、阪神・淡路大震災当時小学2年。母親と祖母を亡くした生徒の17ページに及ぶ体験記から学ぶことがたくさんある。「日常的にやっていないことは、非日常では絶対できない」。災害の多い日本では防災は誰の日常にもあって、日頃の備えや日々のコミュニケーションが大切。自助→共助→公助の順番なのではなく”共助”の力を強くせねば!と思いました。  (は)