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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

人が作った川・荒川(2023課題図書中学生)

 

著者は河川の専門家ではなくフリーライター。異常気象で河川氾濫が多い中、歴史の中での治水の考え方の変化や河川利用をたどったもの。川筋が人工的に変えられてきた荒川を題材に、丹念にたどり、読みやすくまとめている。また、河川氾濫を防ぐために、一人一人ができることとして、豪雨中に生活排水を流すのを抑えることなど具体例もあげ、よりよく残していこうという姿勢を示しているところも良い。ノンフィクションだが、物語の読解が苦手な子には、逆にわかりやすく読みやすいのではないか? また、このテーマで、読書感想文と自由研究をかたずけてしまう方法もありそう。