児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

つきへいったら

レオナード・ワイスガード画 クロウディア・ルイス文

藤枝澪子訳 福音館書店 1969年

 

ひとりの少年が月におりたち、地球をながめます。

宇宙にぽっかりと浮かぶ、大きくあかるい地球。

広い海は、地球というより「海球」と言っていいくらい。

陸に目を向けると、さばくの赤茶色や濃いみどりの森。

日本からアメリカなんてひとまたぎです。

地球から見あげる月と、月から見る地球。何十万キロをへだてて向かい合う2つの球は、広い宇宙でとても近い存在。

最後に少年は言います。「こちらは うまくいっている。ちきゅうでは どうかな。」

静かに語りかける文章が、深い余韻を残します。 (は)