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バレエ団のねこ ピンキー

 

ねこのピンキーは、ネズミとり係としてバレエ団にやとわれています。でも実はネズミが怖くて、ちっとも捕まえられません。バレエが大好きなピンキーは、いつ辞めさせられるか不安でいっぱいでした。

ある日、稽古中の舞台をネズミが走り抜けて、おどろいた主役のバレリーナが足をくじいてしまいます。新作公演の初日というのに、主役が踊れない。怒った支配人は、ピンキーにクビを言い渡します。

涙にくれるピンキー。同じころ、主役の代役の子も途方にくれて泣いていました。せっかく大きなチャンスがめぐってきたのに、ちゃんと振付を覚えられていないのです。

ピンキーは、はっとしました。自分は、バレエ団のすべてのリハーサルと公演をみている。今こそ役に立てるとき。ピンキーは、女の子に主役の踊りを懸命におしえます。そして、公演は大成功!カーテンコールではピンキーも、拍手喝さいをあびたのでした。

女優もしていた作者が文章を担当。しなやかな線でクラシカルな挿絵も、ぴったり合っています。 (は)