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はじめましてのダンネバード

 

2学期が始まって1週間。4年3組の蒼太のクラスに、転校生がやってきた。エリサ・ビソカルマ。顔も髪も茶色、黒目の大きなネパールの女の子だ。

エリサは、蒼太の隣の席になったが、日本語がわからないようで、クラスになじもうとしないし、「家の都合」で休むことも多い。

そんな中、2学期の行事の1つ「弟子入り体験」で、蒼太は幼なじみのゆうりと一緒に「モモ」というレストランへ行くことに。事前の挨拶に行くと、そこはなんと、エリサのお父さんがやっているネパール料理の店だった。

慣れたようすでお客さんに対応するエリサ。ネパールのことを教えてもらった蒼太は、エリサともっと仲良くなりたいと思う。そして学級会で、誰かの失敗を笑わないクラスにしようと話し合う。

やがて迎えた公開授業。久しぶりに登校したエリサと一緒に、弟子入り体験の発表をやりきった蒼太は、勇気を出してエリサに言った。「ダンネバード」。するとエリサはにっこりして、「ダンネバード(ありがとう)」とネパール語で返してくれたのだった。

日本で増えている外国人労働者の生活や、言葉や文化の違いを知り、同じ人としてコミュニケーションすることの大切さを織りこみました。 (は)